「ななみっ!」

幼馴染のあの人が
今日も愛きょうがある顔で
笑うんだ。

「おれさぁ、同じクラスの
 新島さきって子と付き合うことになったんだ~!
 あっ、秘密なんだけどな!」

・・・・・またか。

「・・まさき。はやくない?
 前の彼女から1か月もたってないよね?!」

「う~ん・・まぁ善は急げ!だよなっ」

「や。意味違うよ」

きっと君は知らないでしょう?
こぅやって私のために家に来てくれて話して
くれることがうれしくて。

だけどそんな話を聞くたびに
胸がギュウゥってなってることを。

「じゃ~な、ななみ!!
 今度紹介すっからッ!!」

「・・・・うん。まってるねっ!」

それしか言えない私は弱虫だ。

だけど。自分の家でまさきを
待つことしかできない私は

そんなことしかできないよね。―・・