ぽつり、と突然つぶやいたあたしに歩人はぴたりと動きをとめた後、にこり、口元を緩めて笑った。 気だるげに少し身を乗り出すとあたしの頭に手をポンとのせた。 「大丈夫」 『…、』 「、そんな顔すんなよ、俺は死なないよ」 それだけで、あたしを安心させる歩人はすごい。 歩人の手は魔法の手だな。 昔からあたしは歩人の手があればどんなときも安心できた。