「志麻が死んだら、俺悲しいよ。だから…」
『死なないでってゆうのは無理だよ。あたし人間だからいずれ死ぬよ。』
「う、うーん。こう、なんだろう、志麻って、うん。怖い。」
なんだよ、怖いって。別にあたしは本当のこと言っただけだもん。
あー怖、なんて言いながら腕をさすってガタブル震えている歩人を横目にあたしはふてくされて窓の外を見つめた。
11月のこの時期、もう既に真冬と呼んでもいいんじゃないかと思うくらい寒い。
そんな中を我が校のちっぽけなグランドでは男子が体育の授業でバレーボールをしていた。
運動しているからか、半袖の人も何人かいて、教室の中にいるのに逆にこっちが寒くなってきてしまうので慌てて目を逸らすことにする。
2階のこの教室からは遠くに東京タワーの赤色が見えた。

