桜は速い。けど、D組は男子だからもっと速い。





そしてまたもやクラスの皆から指示が飛ぶ。








「「桜ー!しょうがない!男子に抜かれるのはしょうがない!けど、他のクラスの女子に抜かれたら今日の打ち上げ代全部奢れよー!」」







桜は必死だ。優勝じゃなく、割り勘を目指して走ってる。かわいそう。







あたしはゼェハァ言いながら無事2位の順位で次の走者にバトンを渡した桜に近づいた。







『おつかれ。』





「ねえ、なんで?あたしの、時だけ、なんであんな、厳しい、 わけ? 」





『お、落ち着いて。大丈夫、みんな桜にやる気を出させるためだよ』






「あたし、あったよね?やる気満々だったよね?」






『あー、えと、じゃあみんなの励ましの言葉だよ、』






「あんなの励ましじゃないだろ」







ああ、ふてくされちゃってる。あー、知らないぞー。あたし関係ないもんねー。







唇を尖らせている桜はほっといて、競技に目を写すと、ちょうど田中君から歩人にバトンが回るところだった。






てか、田中君出てたんだ。