私の収まりかけた涙は、さっきよりもひどく、溢れ出て来た。 「ありがとう…ございます……」 やっと絞り出したのはその言葉。 ありがとう、本当に、ありがとう。 私に気づかせてくれて。 私はただ、弱い心に身を寄せて、不幸なヒロインを演じているだけだった。 だけど。これからは。