あおはよく聞こえなかったようで、聞き返される。
「なんか、言った」
「、、、ううん」
あおに言えるわけない。
こんな、醜いあたしを見せたくなんかない。
その後クライアントからOKを貰い、やっと工事が始まるようだ。
「良かったね、OKもらえて」
帰り道、隣で嬉しそうなあおに言う。
マリアが手がけたデザインで、ダメ出しを貰ったことなんて一度もないが。
「ホッとしたよ」
無邪気なあおの笑顔に、胸を締め付ける。
好きだと、思わされる。
ダメだな、、、。
あたしはどうやら、思っていたより重症なようだ。
前に進むと言ってながら、
あおをまだ好きだという気持ちはあの頃と何も変わっていないんだから。
このままあおと一緒にいても、
あたしは何も進むことは出来ないんじゃないだろうか。
あのまま、アメリカに居ればよかった。
そしたら、あおへの気持ちに諦めが付く日が来たかもしれない。
仕事だって、躓くことなんかなかったのかもしれない。
こんなに、苦しい思いをすることもなかった。
あたしの人生はいつも後悔ばかりだ。
あの時、両親が離婚なんかしてなかったら、母親は変わることはなったのかもしれない。
あの時、高校受験に失敗しなかったら、母親はまだあたしのことを見ていてくれたかもしれない。
あの時、合コンに行かなかったら、あおに出会わずに住んだのかもしれない。
あの時、妊娠なんかしてなったら、もう少しあおと一緒に入れたのかもしれない。
あの時、あの時、、、、。
また誰かのせいにしてる。
自分自身の人生なのに、あたしは誰かのせいしてしか、
生きられないなんて、どんなに可哀相な人間なんだろうか。



