幸せの天秤

「レンリ」

卓真に名前を呼ばれても、振り向けない。


「卓真が、、、わかんない」

「レンリ」

卓真はあたしの目の前に来る。


「お前に何かあったら心配なんだよ」

そんな言葉が欲しいわけじゃない。


「なんで、わかねぇかな」

「わかんないよ」

今あたしが卓真から欲しい言葉はそんなんじゃない。


「好き」って言う、たった2文字の言葉なんだ。



「レンリ、、、。


守っていくとか、幸せにするとか言えねぇ。

そんな約束守れるかわかんねぇし。

お前より、確実に俺の方が早く死ぬ。



でも、お前のこと手放す気はねぇよ。

5年も待ってやってたんだ。

そろそろ、俺の所で落ち着いてくれませんか?」


なんで「好き」って、2文字が卓真は言えないんだろう。



「、、、落ち着いてって?」



「お前、意外とめんどくせぇ奴だな」


卓真は口を塞ぐように、キスをする。