幸せの天秤

少しして、卓真と体が離れる。

「お前、思い出したのか」

卓真はマジマジとあたしの顔を見る。


「、、うん」と答えると盛大なため息を溢し、仕事をしていたテーブルに戻る。

そして、何事もなかったように仕事を始めてしまった。


「ちょ、ちょっと」

今って、愛の告白的なムードだったよね?

なのになんでまた、仕事しだしてるの。


仕事をしてる卓真の目の前に座り、ジーッと卓真を見る。

卓真はあたしが気にならないのか、こちらを見ない。


確かに卓真はあたしのことを「好き」だとは言っていない。

でも、「俺の傍に居てくれ」ってそういう意味じゃないの?


卓真があまりに自然で、何かの間違えだったんじゃないかって思えてくる。


「、、、卓真~」

「何、泣きそうな声出してんだよ」

誰のせいだと思っているのだろうか。

ここにくるまで、あたしがどんな気持ちだったかわかってる?

あたしはムッとして立ち上がる。


「おいっ」

卓真の言葉も無視する。

なんで、こんなに不安になるんだろう。

卓真は難しいよ、、、あたしには。

「はぁ~~~」と後ろから、ため息が聞こえて、泣きそうになる。