幸せの天秤

「カッコいいですね」

「っだろ」

なんて言うもんだから、笑ってしまう。

でも、本当に人として、東条さんはカッコいいよ。


「レンリ、、、。俺らはいつでも、お前の味方だよ。
お前にそう言ってやられたら、お前が1人で抱え込むこともなかったのかもな」

そんな言葉が欲しかったわけじゃない。

それじゃ、まるで東条さんが悪かったみたいじゃない。


東条さんはいつでも、あたしの可能性を信じてくれてた。

マリアと、ヒカリを失くしたあたしに建築家としての道を教えてくれた。

あたしに日本に戻ってこれたのも、2人のおかげだよ?


「変に大人になんかなりたくねぇな。素直に言いたいことも言えなくなる」

東条さんは頭を掻く。

言いたいこと、、確かにそうなのかもしれない。

言わなきゃ伝わらない。


「、、、ありがとう」

ちゃんと言えてなかった。


あたしは誰かが手を差し伸べてくるのを待ってるだけだ。

日本に来たときに決めたじゃない、1人で生きていくって。

ちゃんと自分の足で、、歩いていくって。

また、あたしは誰かが手を差し伸べてくれるのを待つの?

自分から誰かに手を差し伸べたことなんてないのに、、、。

あおと向き合おう、、、。