幸せの天秤

部署に戻り、喫茶店の案件の報告と
出来たデザインたちを持って部長のデスクに向う。

「喫茶店はこれでOKなので、後、お願いします。
後、今日午前の分のデザインです。ダメな所指摘して下さい」


あたしは用件だけ伝えて、デスクに戻り仕事する。


飲み食いもせず、没頭していたようで外はすっかり暗くなっていた。



「レンリ、お前お昼も食ってないだろ。体壊すぞ」


部長は身支度を済ませて、あたしのデスクに来た。


「このデザインで終わったら帰ります。お疲れ様でした」


「わかった。何言っても無駄みたいだな。絶対にそれ終わったら帰れよ」


部長はそれだけ言うと、帰っていった。



部署を見渡すと、あたしの他に2、3人残っていた。

そこには彼の姿もあって、なんなことなのに心が安らいだ。

軽く深呼吸をして、手を動かす。

今日中に出来るところまで、終わらせたい。






やっと1/3ほど、終わった頃には日付が変わっていた。


「いつ帰るの?」

声のした方を振り向くと、彼が居た。



何で、、、?