「お前って意外と自意識過剰?」

終いにはそんなことまで言われる。


「じゃ、どうやって別れるの?」

「そんなの人それぞれだろ。運命じゃなかったんじゃね?」

卓真の口から運命なんて言葉が出てくるなんて思わなくて吹いてしまう。


「なんだよ、さっきから」

「なんだろう、、、あたし何処で間違ったんだろう」

「間違わない人間なんていね~よ。
お前が間違ったことがあったって思うなら、逃げたことじゃねぇのか」

あの時のあたしにはあれしか、思いつかなかった。


「所詮逃げは逃げだ。何の解決もしてねぇ」

卓真の言葉が正しいくて何も言えない。


「お前もっと素直になれば?相手のこと考える前に、もう少し周り見ろよ。
そしたら、東条だって、、、、」

「東条さんが何よ」

「はぁ~。あいつ、今でも責任感じてんだよ。
自分がもっとちゃんとチェックしてたら、レンリの作品だって気付けたんじゃないかって」

「あれは、東条さんが悪いわけじゃ」

「あぁ、お前も東条も何も悪くなんかねぇよ。盗んだ奴が一番悪い。
けどな、もう少しお前が周りの奴らに頼ってたら、違う結果になったんじゃね?」

卓真は優しくあたしの頭を自分の肩に乗せる。


「お前がこの仕事してるって、東条も薄々気付いてる。
だから、余計に自分のこと責めてんだよ。お前のこと守れなかったから」

涙がこみ上げてくる。


どうしてあたしはいつもこうなんだろう。

「また、傷つけちゃった、、、」

「そう思うなら、もう逃げんな」


あたしは頷いた。

もう、絶対に逃げない、、、。