幸せの天秤

あたしは涼己が持ってきた雑誌をパラパラと見る。

その中に「ショッピングモール」の写真が載っている。

そこにはマリアと東条さんの写真も載っていた。


こないだのパーティーの時に話していた、
神崎グループのショッピングモールのようだ。

空間の使い方や、見せ方が面白い。

あの2人は4年前に比べて、成長しているのに
あたしはまた置いてきぼりだ、、、。

この中にあたしがいたら、どんなデザインに変わっていたのだろう。

そんなありえないことを考えてる。


まだまだ未練タラタラなあたし。


「一緒に書かない?」とマリアが言った言葉を思い出す。

今のあたしがこの2人と肩を並べることなんてできないよ。


もう、世界が違いするぎる、、、。



数時間が経った頃、涼己が嬉しそうに出来たデザインを見せてきた。

「どうすっか?」

「う~~~~ん、微妙?」

あたしは、少し遠慮がちに言う。


あたしの言葉に肩を落とす。

「やっぱ俺、営業に移動かな」

なんてことを言う。

「何で?」

「元々、わがまま言ってデザインの方にいるんです。
だけど入社して半年も経つのになんのデザインも書けてない。
周りからは向かないって言われるし、どんなにデザインをやりたいって気持ちがあっても
ちゃんとしたもの書けないのに居ちゃいけないっすよね。
他の奴らだって、デザインやりたい奴いるのに。
チャンス貰っても結果出せないなら、自分から下りないと」

「そんなの涼己らしくないよ。貸して」

あたしは、涼己にデザインの書き方を一から教える。