メールを送って少しする、東条さんから連絡が来た。


「良いじゃないか」


東条さんもデザインに納得しているようだ。


「祐太くんがあたしの手直ししたデザインに、自分なりにアレンジを加えたんです」

「彼、化けるかもな。デザインが独創的で、面白い」

「あたしもそう思います」

「まぁ、レンリ次第でまた変わるかもしれないぞ」

東条さんはそんなことを言って「じゃ、これで進めておく」といい電話を切った。


あたし次第で、祐太くんは変わる、、、、か。

あたしは裕太くんに何か教えられることなんてあるのだろうか。

いつも、あたしの方が祐太くんに教えられているっていうのに、、、。

祐太くんを見ていると、目が合う。


あたしは[東条さんからOK出たよ]と言うと、嬉しそうに喜ぶ祐太くんを見て、あたしも嬉しくなった。

このまま祐太くんの傍に居られたら、あたしは「幸せになれんじゃないか」って思えてくる。



幸せなんて、あおと別れたときに諦めたはずだったのに。

あたしは幸せをどこかで、求めていたのかもしれない、、、。





マリアから送られてきたメールを見て、「仕事、仕事」と自分に言い聞かせ仕事をした。




仕事に集中してると、時間はあっという間に過ぎていく。

一息着こうと外を見ると、暗くなっていた。


[どうぞ]

祐太くんがコーヒーを机に置く。


[ありがとう]


あたしは、コーヒーを体に流し込む。


[レンリさんって、仕事に集中すると周り見えなくなりますよね]

[そうかな?]


時計に目をやると、9時になろうとしていた。