幸せの天秤

マリアのことだから、こっちの様子を伺っていたのだろう。


「大丈夫よ。大分落ち着いてきたから」(英語)

「そう。なら、メールで案件送っておくわ。でも、あんまり無理はしないでよ」(英語)


マリアはマリアなりにあたしを気遣っているのだろう。


「ありがとう。でも、新しい子も入ったから大丈夫よ」(英語)

「レンリ1人じゃなかったの?」(英語)


あたしは、祐太くんのことを話す。

「そう面白いデザインなら、見てみたいわね。今度日本に行ったとき、ちゃんと紹介しなさいよ」(英語)

マリアとそんな話をして、電話を切った。



[なんか、レンリさん嬉しそうですね]


祐太くんがあたしのデスクに来ていて、そんなことを言う。


[そうかな?今度裕太くんにもちゃんと紹介するね]

「お願いします。これ、俺なりにアレンジしてみたんですけど」


東条さんのところの案件をあたしに渡す。

昨日あたしが少し手直しいた奴に祐太くんらしいアレンジしている。


[凄いいいと思う。早く東条さんに確認してもらうね]

[よかったです。じゃ、後お願いします]


祐太くんは自分のデスクに戻る。

あたしが手直しを加えようと思っていたのに、本当に仕事が好きなんだ祐太くんは。

祐太くんが渡してきた、デザインが生き生きしてるように見える。


あたしはそのまま祐太くんのデザインのまま、東条さんにメールで送った。