記憶喪失になりました。【短編】

別に浩史が返事をするわけでもない。



卑屈なコトを言ったって、浩史が起きるわけでもない。



でも何かを言っていないと、気が狂いそうになる。心配で。



だから




「早く戻って来なさいよ」




言葉にして呟いた願い事は




卑屈な言い回しで、声が震えていた。




それはきっと、今の季節が真冬で




窓の外で降っている雪のせいだと思いたい。



。゜完゜。