夏目くんの愛が重すぎます!


ようやく長い入学式を終え新しいクラスに行き

自分の名前の記された席へ向かい
自分の席が窓際でしかも後ろから二番目であることに内心ガッツポーズをした。


なんか、窓際ってテンションあがるっ!


授業中に窓の外見て時間潰せるし、眠い時よりかかれるし…




窓際でしかも隣は女子ってことは…これってかなり幸先いいんじゃない?


隣、どんな子かな


な、なんて話そう

初めまして?
…どこの少女漫画だよ。



ちょっと〜やぁだ。マジテンションアゲアゲェ〜
ヨロォ、みたいな?
…ダメだ。バカと思われる。


頭の中でぐるぐると挨拶の言葉が浮かんでは早々と却下されて沈んでいった。


とにかく、席について考えよう。


えーと…窓側の…あ、あそこだ。


そして、席につきときめく気持ちを抑えて隣を見て…

…唖然とした。


一言で言えばギャルだった。


しかもパツ金で、色黒の。


…ちょ、なにこれ。
なんで私の隣の人入学初日からこんなにがっつりメイク?
先生への宣戦布告?

てか、髪の色明るすぎ…

目とかアイライナーで真っ黒だし…もはや…うん、エイリアンだわ…

まつ毛が生き物みたいに見える…




あー…
ダメだ。横のエイリアンと仲良くなれる気がしない…。



鏡と睨めっこをしている彼女に話しかける勇気も無く、どうすれば…と悩んでいた時。



後ろでガタッと椅子を引いて誰か座った。



そういえば、私の後ろにも誰かいたんだっけ?


確か…季節が入った苗字だった気が…

えーと…

えーと…

秋本君?
なんか違う気するけど

この際いいよね。



とにかく!誰かと仲良くなりたい!


このことしか頭に無くて私は勢いよく後ろを振り返った。




…これが私と夏目くんとの出会い。