幸せの神様。

「えーッ!!愛美が、ルイちゃんにもう言っちゃったって!!楽しみにしてるらしいよ?断るなら、直接本人に言ってね。じゃーねー」



「ちょっ!!燿!!」



大声で呼び止めたのに、少しも振り返らないで長靴をガボガボ言わせながら、燿は去って行った。



困る…



これ以上悩みを増やさないでくれ



断るって…俺が出来るわけないじゃんか



ていうか、何で出来ないかな…



日は傾いて、ふと海を見ると小さなクラゲが漂っていた



ユラ、ユラ、



気ままなクラゲを見ながら



“お前が羨ましいよ。”



と溜め息をついた。