幸せの神様。

「…ルイ」



俺を見つけて走り出したルイを見ながら、ボソッと名前を呟いていた



「本当に…」



「んだよ。」



「いえ、何でも(ルイさんを見る瞳だけは、優しいんですね、特別…か)」



心の中で倖との会話を思い出していたサカキ



そんな事を知る由もなく、駆け寄ってきたルイに



「転ぶぞ?」



と激甘な顔をしていた俺



「転びません」



スカートを整えるルイも同じような表情をしていた



その光景にサカキが小さな溜め息をついたのに



二人して気づかなかった