2人の会話が聞こえる距離まで近づいた。
「さなえって進路どうすんの?」
「私、AOでもう合格したから来年から医療大なの」
「へぇー。じゃあ彼氏と遊び放題じゃん。」
「……まあでも、なんか刺激がないってゆーか。最近面白味がないのよねぇ」
………は?
「彼氏1年生だっけ?」
俺のことだ……
「俺びっくりしたよー。だってさなえって今まで特定の相手作んなかったし。」
え?
「だって顔が超タイプだったから他に取られたくないじゃない。」
「ほんとさなえって恐ぇ女だよなー。それで自分は遊びまくってんだもん。」
なに…言ってんだ……?
「女の扱い慣れてると思ったのよ。そしたら全然手出してこないし。でもかっこいい彼氏って自慢できるから何かと便利なのよ。」
「うわー逆に尊敬するわ。てか早く俺の家行こーぜ。俺の親もう家出たってさ。」
「ほんと?行く行く!あんたの家久しぶりー♪」
「はぁ?一週間前に来たばっかじゃん。」
「え?そうだっけ?まあいいや。」
俺はとっさに影に隠れた。
俺は裏切られた………?
その後どうやって家に帰ったのかもわからない。
当然さなえとは破局。
俺の裏切られたショックは思いのほか大きかった。
毎晩うなされて、夜な夜な遊びまくって。
そんな荒れてた俺に今の事務所の社長が声をかけてくれた。
だから今の俺があるのは社長のおかげ。
だけどあの出来事は俺に極度の女嫌いという大きな後遺症を残した。
