雑誌やブログを購読するうちに浅田くんが県内の公立高校に通っていることがわかった。

同じ県に住んでる。僕はそれだけで嬉かった。



♪ ♫ ♪

ゆりちゃんのケータイが鳴った

「ママー?どうかしたの?…えー?今からぁ?今からなっちゃんと……うん…うん。はーい。」

ピッ

「ごめんなっちゃん!ママから呼び出し!仕事手伝えって。本当人使い荒いんだから。なっちゃんと本屋行きたかったのに。」

ゆりちゃんは申し訳なさそうな不満そうな顔をしてる。

「僕は全然大丈夫だから早く行ってあげて」

「ほんとごめんね!次は一緒に本屋行くから!じゃあまた明日ー!」

そう言うとゆりちゃんは女の子とは思えない速さで駅まで走って行った。

陸上が苦手な僕にはあの速さはムリそうだなぁ。



僕はひとりで本屋に向かった。