あの後、座敷にいた一人一人から自己紹介をしてもらった。



局長の近藤さんは、見た目はちょっと怖かったけど話してみると誰よりも優しい人だということがわかった。





土方←(もはや呼び捨て…。)と同じ副長の山南さんは近藤さんみたいに優しい人で周りを常に冷静に捉えている人だった。





まぁ、他にその他もろもろ…。





あ、でもその他もろもろの中にもいい人がいた!





名は確か…藤堂さん。身長も歳も似ているような人で、一緒にいると安心出来るような兄様ミタイナ存在。いつも一緒にいてくれて、優しかった兄様…。





(ここで遅くなりましたが、朧の簡単な紹介をします。

歳は、一応十四歳を身長は155cmです。
一応、兄と弟がいました。しかし、兄と弟はとある戦いに巻き込まれ死んでしまいます。その話はまた後でということで、引き続き話をお楽しみくださりませ<(_ _)> )

《本当に適当でスイマセン…》




藤堂「これからは、僕のこと平助って呼んでよ~。僕も朧って言うからさ!」





「…はい!では、へーすけ。これから宜しくお願いします。」


そう言って、朧はニコッと初めて笑顔を見せた。




その笑顔を見た者たちの顔が真っ赤だったのは言うまでもないだろう。




朧は、体が細くてスタイルが良い。そして、京海院家に見られる少し青みがかかった目と小さな唇、そして、白い肌、髪は現代で言う《ボブヘアー》だった。




当時の人が、男と間違えるのも無理はない。髪が短い女子などあまりいなかったのだから…。


「それで、僕は何をすればよろしいのですか??」





土方「…そ、そうだ何か忘れてたと思ってたんだが、朧の所属は総司のところだ。簡単に言えば、京の町を見張って、怪しいやつを片付けるというものだ。わからんことは、総司に聞け。」




沖田「朧、よろしくね~。」





(いつの間に呼び捨てに!?)




「でも、僕は、あまり外には出たくないのですが…。」







土方「だいじょーぶだ。なんかあれば総司が助けるから。」






「でも…。」






沖田「なんなら勝負してみます??」






「「「「えっっっっ!?」」」」







「いいですよ~。剣ごときに、僕は負けませんからw僕は式神を使って良いのですよね??」




沖田「もちろんですよ~!」





「ならば、僕が負けることはありません~。」






沖田「そんなにお強いんですか~??」







「剣ごときが式神たちに勝てるとでもお思いですか~??」







沖田「もちろんですよ~僕は何が相手でも勝ちますよ!」






まぁ、このように両者が次々に口を開いていたため周りのものは

((子供のようだ・・・)) と二人を見守っていたとかいなかったとか





沖田もだが、朧は歳も若かったせいかまるで子供のように頑固だった…。







めんどくさかったのか、土方が叫んだ。


「てめぇらいい加減にしやがれ。うるせーんだよ。少しはだまりやがれ!!」






沖田・朧「・・・・・・・・・。
うるさいのはお前だろう。」







「「「ププッ。」」」






土方「うるせーな。俺は注意をしただけだ。まあ、いい。早く道場にいくぞ。」





「ちっ。」





沖田「は~い。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「道場ってここ??」




土方「ああ、そうだ。」






沖田「どうかしました??」




「いや、人多いし狭くない??」






「「「「えっっっっ!?これで狭いって言うの??」」」」





皆が驚くのも無理はない。なんせ、京海院家の道場といったら壬生浪士組の屯所の二分の一くらいの大きさで、現在の普通の二階建てアパートくらいの大きさがあったからだ。しかも、陰陽師は式神を使うためそれなりに大きくなければ、すぐに壊れてしまうのだ。




「この道場潰れても知らねぞ。」







「「「「えっっっっ、なんで?」」」」






「式神を使うのだから、このくらいの大きさ(京海院家の道場の二分の一くらい)だと潰れるかもしれん。でも、ま、良いか。」




「「「「いや、よくねーよ!!」」」」







沖田「じゃぁ、外で試合をしましょう。良いですか、朧??」




「僕は別に構わぬが」



平助「土方さん、いいんですか??」



土方「まぁ道場潰されても困るしな。両者が外でいいというならいいだろう。」







沖田「では、決まりですね~」






沖田「場所は…ここでいいか~」








そこは、道場から少し離れた場所だった。



いかにも人があまり通らなそうだったため、朧は本気になれる!と喜んでいた。




土方「両者構え…初め!!」







土方のはじめの合図で試合は始まった。



初めの合図とともに、朧は式神を2体発動させた。





「式神よ、我は主の京海院朧なり。我に力を宿せ。」



「いでよ、珀舞・琥珀(コハク)。」






朧がそう唱えると、いつの間にか朧の隣に白い虎と鷲のような大きい鳥がいた。






「「「「…すげぇ。」」」」





他の隊士たちは唖然としている。





戦う相手、沖田もまた式神を見てボーっといていた。





「沖田さん来ないんですか??」







沖田「ハッ、いいえ~今から行きますよ、嫌ってくらいね~。」





「そう来なくちゃ、楽しくない。ニヤッ。」







沖田「やぁーーー。」




沖田が竹刀を振り上げた。






それを見た朧は、




「珀舞。」







式神の珀舞を呼んだ。










沖田がすぐそこまで来ている。









竹刀を朧目掛けて振り落とし始めた。







(あぶない!!)このとき、誰もが沖田の勝利そして、朧の敗北を頭の中で考えた。











『ドンッ。』





土方「そこまで!!」









鈍い音と共に、土方がやめの合図を出した。










その時、朧以外の人は、何が起こったのか理解できないほど混乱していた。











沖田「う、嘘だ・・・。」









「嘘じゃありませんよ。式神は使い方によって、強くも弱くもなる。今回の沖田さんの敗北の理由は、先に手を出したこと。式神相手の時に、最初の攻撃を交わされたら、終わりだと思っといてください。」












結果は、そう朧が勝ったのだ。






誰もが目を疑っただろう。新撰組で一二を争うほどの剣た達者な沖田があっという間に負けてしまったのだから・・・





解説しよう!!

さっき朧は、沖田が剣を振りかざしたと共に、琥珀の背に乗り空中に移動したのだ。そして、沖田の背後に飛び降り剣を首筋に当てた。
られる



これが本当の戦いならば、誰もが死んだ自覚がなくなりそうなほど、落ち着いていられるほど静かな剣さばきであった。







「こんなやつに守ってもらおうとは思わん。」





土方「お、沖田「まだです、もう一回し    ましょう。」





「嫌だ。」






沖田「ムッ、勝ち逃げですか?」








「ハァ、何回やっても結果は同じだ。しかも式神を使うのにも体力がいる。今日は疲れたからまた今度な。」










沖田「じゃ、また今度ですよ。絶対ですよ。約束ですよ~。」









「あぁ・・・。」




こうして、朧は外に出なくてもいいことになったのだが、沖田のしつこさに負け、結果的に沖田と行動することになった。