「そう、それより。」
「なに?」
瑠依の顔がいつにもまして真剣だったから、
私もかしこまって聞き返した。
「あのさ……。」
「……うん。」
瑠依の周りの空気が重くなり、
私の緊張さが一層増していった。
「………ここ、何処だっけ?」
「……へ?」
瑠依から出た言葉に驚き、私は間抜けな声を出してしまった。
あんなに真剣な顔したから、どんな深刻なことかと思ったら
そんなことですか。
「西渡り廊下。」
私は、半分あきれ状態で瑠依に現在地を教えた。
ここに来たのは、3回目なのにおぼえられないとはね。
キーンコーンカーンコーン、キンコーンカーンコーン
「京羽。まずいよ!予鈴だよ、いよがな!」
「わかってる。めんどいけど、走るか。」