高校の入学式。
別にワクワクとか、ウキウキとか
そんな思いは一切浮かばない。

周りはみんなそんな気持ちで一杯なんだろう。

だけど、私は……。



「京羽?何してんの、入学式始まるよ
 早く体育館いこっ!」

「うん。ありがと瑠依。
 いこっか。」


この子は瑠依。
私の心友だ。
小学校の時、瑠依が私の家の隣に引っ越してきた。
その時知り合い、仲良くなった。
やっぱり最初のほうは喧嘩が多かったな。
今では、なんでも言い合える心からの友。
私は瑠依が大好き。
美人で、スポーツ万能、成績優秀。
しかも、明るく、優しいから人望も厚い。
まさに、完璧人間なのだ。
そんな瑠依が大好きだし、憧れ。



「あ……。」


「ん?どうしたの?」

き、のせいかな?
さっき、渡り廊下の窓から
男子がこっちを見てた気がした。


私はもう1度窓のほうを見た。



…い、ない。

やっぱり、気のせいか。


「いや、なんでもないよ。」