「タカさん!!」
20分ぐらい経った時、店の扉が勢いよく開かれた。
「来たみたいだな。」
店長がそう言って入ってきた人物を見る。
坂本君だ。
走ってきたのか、額には汗がうっすらと浮き出ている。
髪の毛も所々ボサボサだ。
「やっと来てくれた。」
「..........どうも。」
坂本君はにっこり笑って隣の席に腰を下ろす。
「来てくれないと思ってたよ。」
「来る気なかったから。」
「ズバッと言い切るね。」
本当のことですから。
「タカさん、いつものちょうだい。」
彼は店長の事を、タカさんと呼ぶらしい。
苗字から取られたあだ名だろう。
頂いた紅茶を啜る。
「はいよ。」
「ありがと。アイツ等はまだ来ねえの?」
「ああ。少し遅れるんだと。」
「へえ。」
私の知らない会話が目の前で繰り広げられる。
私は空気か。

