「大丈夫?」
泣き止んだ私の目尻を拭う彼。
「大丈夫。」
今度はソレを払いのけることができた。
今思えば、頭を撫でられるって恥ずかしいわ。
心がぽわってなる。
しかも泣き顔見られたなんて.......
これこそ羞恥が私を襲う。
そもそも20歳目前にして泣くなんて、どうかしてる。
いや、そこまでおかしくはない事だけども。
でも自分は泣くことなんてあまりなかったから。
「ねえ、そんなにこの歌、よかった?」
ギターをケースにしまいながら私にたずねる。
..........よかったってもんじゃない。
その上をいくぐらい、素晴らしいものだった。
でも、私的にはやっぱり........
「............声、好き。」
「...........声?」
予想外の返答だったのか、目を見開いている。
ま、そりゃそうか。
質問の答えとしてふさわしくないからね。
「.........そっか。声か.....」
坂本君は何度もそう呟いて、急に立ち上がった。
「そろそろ帰ろっか。」
砂のついたズボンを払う。
「...........うん。」
私も立ち上がり、砂のついたその部分を払い落とす。

