「じゃ、空良は真尋ちゃんの隣ね!」
彼の背中を、伊藤君が押す。
そして、私の隣に腰を下ろす。
.............帰りてえ。
何か居心地悪すぎる。
どうしていいのかわからずにいると、サチから助け舟が。
「真尋はシャイなの。無愛想だけど、いい奴だよ。」
サチに間近でそう言ってもらえるなんて........
今なら号泣できそうだ。
というか録音しておけばよかった。
もう一生、サチの口から聞くことはなかろう。
「へー、そうなんだ。」
隣から視線を感じる。
が、何となくそちらを向く気になれず、ビールを飲む。
あー........何か飲みすぎてる気がする。