「お待たせ!!」 伊藤君が帰って来た。 その斜め後ろには、彼と同じぐらいの身長の人が立っていた。 金髪にしては薄い、ふわっとした髪。 シャープな顎ラインの下には、ゴツゴツしたネックレス。 黒いジャケットに、ダメージジーンズ。 袖から見せる、細い指や手首には、これまたゴツイアクセサリー。 彼の背中にある、ギターケース。 キリッとした、ダークブラウンの瞳。 これが、彼と出会った日の事だった。