それから、凛とちょこちょこ連絡を取るようになった。



そして、もうすぐ学園祭。

授業そっちのけで、
学園祭の準備に励んでいた。

俺等のクラスは、
クレープ屋。

これは俺が、クレープ屋を押した。

なぜかって?

凛を学園祭に呼ぶから。

だから、凛が喜ぶものを考えたら、クレープを思い付いた。


他の奴らは、コスプレカフェだとかメイドカフェだとか提案したけど却下。


そしたら、眼鏡委員長が


『そんなに言うなら、
鮎川くんがリーダーになってください。』


なんて言うから、
こうなったらクレープのメニューも全部俺が考えてやる!


と、只今家庭科室で
メニューの試行錯誤中…

仁と皐月も強制で
手伝わせる。


「なあなあ、これ食って!」


皐月がニコニコしながら
クレープを俺の口に放り込む。



「う゛ッッ!!……かっら!テメエ!何すんだよ!」


「だーハハハッッ!
わさびたっぷりクレープ!」


「殺すぞ!」



ばつゲーム状態。



甘いのが苦手な俺は、
甘いもの大好きな凛が気に入るクレープがわかんない。


だからコイツらに手伝わせたんだが…


無理だ。



そう思った時…


「歩、できたぜ!」


仁が黙々と作ったそれ…


「お前…天才…」


生クリームとイチゴ…
イチゴアイスイチゴケーキ…


凛が好きそうなものばっか。



「うん、うめえ!
仁、すげえじゃん!」


「だろ?皐月。
イチゴスペシャル!俺って才能ありすぎ…」


本当にキミはすげえよ。


いろんな才能ありすぎだから。



「なー歩。何でそんなはりきってんだ?」


今更皐月が言う。



「そりゃ、凛が来るからだろ?」


「だと思った。」



「何もなきゃいいけどな。」


そう。


それが問題。