キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り、HRが始まるから自分の席に座った。
優奈は窓側の一番後ろの席。
隣には空いてる席がある。
きっと隣には噂の転校生が来るのだろう。
優奈は窓からの景色を眺めていた。
「暑いなぁ」と呟いた。
もう季節は秋だというのに外は暑く、汗が頬を流れる。
優奈は服の袖で拭き取り、前の席にいる美嘉に話しかけた。
「こんな暑いのに冬服は嫌だよねぇ」
「うん、衣替えほんと早いよ」
美嘉も汗が流れていた。
やはり暑いのか下敷きでパタパタと扇いでいた。
優奈を真似をし、扇ぎはじめた。
先生がまだ来なかったから、続けて美嘉が話掛けてきた。
「転校生、どんなだろーね」
「んー興味ない」
苦笑いをしながら答えると、
「はーい、転校生を紹介しまーす」
と、担任の先生が入ってきた。
その後ろには転校生がいた。
真新しいここの制服、足も長く背の高さもそこそこ…。
────かっこいい…。
無意識にそう感じていた。
顔もなかなかのイケメン。
優奈は少しの間目が離せなかった。
ふと我に返り明莉を見てみた。
完全にニヤケてる。狙う気だな。
ほかの女の子もその転校生に釘付けになっているようだった。