said.桜愛

公園に向かったある日

ぃゃ、毎日来てるから今日も公園に向かったが正しいかなっ。

そして、いつものように雪紀を待つ。

「さくらちゃん…」

あ、ゆきだ!そう私を呼ぶ声が聞こえて勢いよく振り返った。

そこには、案の定ゆきの姿が。

だけど、何かがいつもと違う…

なんだか、元気のない顔をして無理して笑ってるゆき…

「ゆき?どうしたの?どこか痛いの?」

そう問えば…

「ううん。どこも痛くないよっ」

そう切ない顔する…

一体どうしたんだろう…

私は、ゆきをじっと見る。
どうしよ…なんだか嫌な予感しかしない…

ゆきがゆっくり口を開く。

「僕、引っ越さなきゃいけないんだ…」

ゆきが何を言っているのか分からなかった…
ぃゃ、分かりたくなかったんだ…

ゆきは、下をや向いていてどんな表情しているのか分からない。

私は、泣いた…

「嫌だよぉ、行っちゃ嫌よぉ…
ゆきとお別れなんて嫌だ…よ…」

「…さくらちゃん……」

今にも、消えそうな声でそう言った君…

私の目からは涙が次から次へと溢れだしてくる。

何も喋らないキミ…

泣きじゃくる私…

でも、少ししてから決心したようにバッと顔をあげるゆき…

「さくらちゃん!僕、強くなってさくらちゃんのこと迎えにいくからっ」

「そしたら、また高台に登って綺麗な景色一緒に見よう?」

そう言って、微笑むキミ…

素直にすごく嬉しかった。

「っうん!私、ずっと待ってるから!」

私も精一杯の笑顔で返す…


「またね」

「ばいばい」

そう言葉を交わし、向こうに居たゆきのお母さんのもとへ走っていくキミ…
だんだんその小さな後ろ姿は、
もっと小さくなっていき、角を曲がった時完全に見えなくなった…