【短編】弟はキューピッド!?



「そうか。そうしよう!
いや、勇樹に相談して良かった!本当、ありがとな」

ペコッと先輩が頭を下げた。


「いえ、そんな」

俺は手を振って制したけど、先輩はまた頭を下げた。


「勇樹、お前は後輩だけど、今は彼女の弟でもあるんだ。
だからいろいろ世話になると思う。そんときは変に謙遜しないでくれ」

俺はこくんとうなずいた。

「…わかりました。ではもうひとつ、言ってもいいですか?」

「なんだ?」

俺は笑いをかみ殺して言った。

「俺、姉貴へのいちばんのプレゼントは、先輩の熱いキ…」

弱めのチョップ直撃。

「お前は黙って部活頑張れ!!」


そう言って帰る勇太先輩の顔は…言うまでもないか。