「実はそのことで話があって…」
「そのこと?」
俺が問い返すと
「だから…」
先輩は思いきったように早口で言った。
「実樹のほしいものが知りたいんだよ!!」
先輩は顔をぱっと隠す。
俺は「へっ?」と間抜けな声しか出なかった。
はずかしそうに頬をかきながら勇太先輩が口を開いた。
「実は、クリスマスイブに実樹と…デートすることになって」
ほうほう、いいじゃないですか。
「で、クリスマスだからさ、その…プレゼント…渡そうと思って。でも、なに渡せばいいかわかんなくてさ。
出来れば実樹がほしいものをあげたいし…」
なるほど、それで俺に。
俺は少し考えて、口を開いた。

