「勇樹、ちょっと」
「は、はい」
1週間くらい前。
勇太先輩が久しぶりに部室を訪ねてきた。
「ちょっと勇樹借りるね」
他の後輩たちへの挨拶もそこそこに、先輩は俺を連れだした。
部室の裏、誰もいないのを確認すると先輩は口を開いた。
「勇樹、お願い…というか聞きたいことがあるんだけど…」
先輩、なんか言うのをためらってる…?
「先輩、なんでも聞いてください。俺、勇太先輩めっちゃ尊敬してますし、好きですもん。
…まぁ、姉貴にはかないませんが」
俺がそう笑うと
勇太先輩はちょっとはずかしそうにうつむいて、つぶやいた。

