ピーーーーーーーーッ



笛の音が俺の耳を突き刺す。

先輩のサーブが飛んでいく。



決勝戦。


今までの試合とは違う緊張が、俺の体を走る。


「大丈夫」

スタート前、チームで組んだ円陣を思い出す。


≪「全力で、勝ちに行こう。俺たちの力で」≫



勇太先輩の言葉を噛み締める。


俺は大きく息を吸って、集中する。