罰ゲーム

泉ちゃんに対しての罪悪感が半端ないが、それでもこれはただの遊びだ。高校生の恋愛なんて所詮そんなもの。



綿菓子みたいにふわふわして甘ったるくて、でも食べてしまえばすぐに溶けるようなものだ。



そんな俺の心中をしらない泉ちゃんは渋々ながらも頷いてくれた。その罪悪感いっぱいの表情を見ていると、自分がとても汚い人間に思える。



「……泉ちゃん」



「ん?なに?」



俺にそのガラス玉みたいな薄茶色の瞳を真っ直ぐ向ける。人と目を合わせることに躊躇いなんかないと思うほど自然に。



「……いや、なんでもないよ」



「…? そう」



少し不思議そうにしながらも、俺からスッと目を逸らして最後になる赤い苺を口に放り込んだ。



これが罰ゲームで本当は好きなんかじゃない、なんて言えたらどんなに楽なんだろうか。