「マジで!?いいの?」



「むしろ助かる。私がもらったって毎日嫌ってほど顔合わせてるし…」



それもそうだ。司さんの写真集は予約だけで在庫がなくなり、店頭販売すれば一時間もしないうちに売り切れる。もともと発行部数の少ない写真集がそれほどまでに売れるのだから、手にいれるのは難しい。




「今度発売のって前のより発行部数少ないんだろ?」




「らしいね。興味ないから知らん」




なんとも高坂らしい答えが返ってきた。そこでチャイムが鳴る。俺はお礼を言うと席に戻った。




「お昼一緒に食べよう?」




四時間目の授業が終わり、昼休みのチャイムと同時に弁当を片手に出て行こうとする高坂の肩を掴んで止めた。




「……わかった。友達に言ってくる」




断るかと思ったのに、あっさりと了承してくれた。俺も弁当を持って廊下に出た。