手元に残った一枚のジョーカー。視線をそこから移せばにやにやと面白そうに笑う馬鹿共。




「ほっほー。学年三位のお前がババ抜きごときで負けるとはな!」

「ババ抜きに頭脳は関係ねえだろ」

「ま、なんでもいいや。それじゃ罰ゲームなー」





滝村優弥。それが俺の名前。そして今は最近ハマっている罰ゲームの対象を決めるためのトランプ。



ゲーム自体に意味はない。トランプでなくともジャンケンでもいい。



要は罰ゲームを受ける奴が決まればいい。





そして今回は俺になってしまったようだ。




「で?どーすんだ?この前は隆司(りゅうじ)がゆみちゃん三ヶ月でおとしたじゃん?」




俺らが最もやる罰ゲームは誰が誰をおとすか。つまりは相手に恋愛として好き、と言ってもらえるかだ。




最低、と言われるかもしれないが、中には本命の子だっている。