打ち上げ花火とミルクティ

青田に気付かれないように苦笑いを浮かべると、恵斗はふとテーブルに目を落とした。



すると、さきほどの黒い紙が目に入った。



「あ、青田さん。これ、何なんですか?俺の家のポストにも入ってたんですけど」


「あー、それね。それはね・・・」




青田が話し出そうとした時、先程の店員が料理を運んできた。



なんとも間の悪い事だ。



「ハンバーグステーキセットになります」



店員はそう言いながら、料理を二人の前にそれぞれ置いた。



「ご注文は以上でお揃いでしょうか」



店員がそう聞いたので、恵斗と青田は揃って「はい」と言った。



「で、それは一体なんなんですか?風俗のチラシに見えるけど」



ケイトは小さなバスケットに入ったフォークとナイフを青田に差し出しながら言った。



「あ、ありがとうございます。これはね、風俗とはちょっと違うんですよ。ストリップです」


「ストリップ?」



その言葉を聞いても、あまりピンと来なかった。



言葉は知っているし、どういうものなのかもだいたいわかるが、そんなものがまだあるという事が不思議だった。