打ち上げ花火とミルクティ

 青田は各テーブルに設置されているボタンを押した。




遠くからピンポンというまぬけな音が聞こえてくる。



『はーい。ただいま参ります』という店員の威勢の良い声も聞こえる。




小走りにやってきた店員は、まだ若い痩せ気味の女だった。




制服はひざ丈のタイトめの黒のスカートに白のシンプルなシャツ。




下着が少しだけ透けて見えていた。恵斗はすぐに目を逸らした。




「えっと・・・このハンバーグステーキセットを二つ。飲み物は二つともコーラで」




青田が小慣れた様子で注文する。



「かしこまりました」




店員は簡単な注文にも関わらず、きっちりと復唱した。




青田は頷く。店員が去った後に、青田が恵斗の顔を覗き込んだ。



「何ですか?」



「ずっと思ってたんですけど、ケイトさんって女嫌いですか?」




恵斗の眉がピクリと動く。



この質問をされるのは苦手だった。