恵斗が作業に入ってからキッチリ二時間。



宣言通り、締切分の仕事は終えていた。



来るぞ、ダースベーダーが。



そう思った瞬間に、頭に浮かんでいた音が部屋中に鳴り響いた。



恵斗は噴き出しながら携帯電話を手に取った。



メールが来たものだと思っていたのだが、今回は電話だった。



青田の音はメールも電話も同じにしているので瞬時にはどちらかわからないのだが、何となくダースベーダーを気にいってしまっていたのでなかなか変えられないでいる。



通話ボタンを押す。



押すと言っても、タッチパネルなので押した感覚は全くない。



ただ触れただけだ。



『あ、ケイトさん？締切ですよ。終わりましたか？』



恵斗はニヤリと笑った。



「もちろん。今終わりましたよ。今からメールで送ります」


『いや、今回はディスクに落してください』


「何でですか？」


『これから一緒に食事でもしませんか？その時に直接受け取りますよ』
「わかりました。じゃぁ、いつものファミレスに三十分後に」