「あなたなら、この国で一番偏差値の高い大学に行くかなって思ってね。で、今日はその大学の卒業式でしょう?時間は、まぁこのくらいかなって」



マリアの言う通りだった。



璃梨が通ったのは、この国で一番偏差値の高い国立大学だったのだ。



「あたし、マリアさんに大学に行くって事すら言ってなかったのに・・・。どうしてわかったんですか?」


「んー、なんとなくね。そうするかなって思っただけ。でも、やっぱり来てくれた」



マリアは璃梨に抱きついた。璃梨は、マリアの甘い香水の香りにドキドキしていた。



「あの・・・。よろしくお願いします!」



耳元で璃梨にそう叫ばれたが、マリアは一切気にしなかった。



「こちらこそ、ヨロシク」



マリアは璃梨をさらにきつく抱き締めた。



「まず、お店でも名前決めないとね。何がいい?」



マリアは璃梨の身体を離した。


それでも、手だけはしっかりと握りしめている。



璃梨はマリアに抱かれた余韻に浸っており、すぐに質問に答える事が出来なかった。