『桃色学園』は未だ健在であった。



今はまだ夕方なのであまり賑わってはいない。



セーラー服の客寄せの女達もまだいない。



璃梨はこれから毎日この景色を見る事になるのだ。



セーラー服の女になんて負けていられない。



あたしは女神になるのだから。



璃梨は改めて気合を入れた。
 


『桃色学園』の向かいのビルの前で足を止める。



懐かしい。



四年前と何一つ変わっていない。



案内板の内容以外は。



一階の中華料理屋と『escape』を除いてはみんな違う名前になっていた。



階段のいかがわしいポスターも変わらない。



璃梨にとってはその薄汚れた卑猥なポスターでさえも懐かしく、そして恋しかった。