打ち上げ花火とミルクティ

「恵斗・・・。本当にすまない。俺の力不足だ」



速水のこの言葉にも、恵斗は笑って首を横に振った。



そうする事しか出来なかった。



速水にはなんの責任もないのだから。



というより、誰の責任でもない。



「今日も、検査ですか?」



恵斗は話を変えようとした。



「あ、あぁ。毎回検査はしてもらう。モルモットみたいで悪いが、協力してほしい。その代わりと言っちゃなんだが、どんな相談にでも乗るから」


「わかってます。相談に乗ってもらうかはわからないですけど、協力はしますよ。世界でただ一人の人間ですからね」


「感謝するよ。じゃぁ、またいつもの手順で頼むな」


「了解」



恵斗はそう言って回転椅子から立ち上がった。



出口の扉に手を掛けたところで、振り返る。



「ありがとう」



速水は泣き笑いの顔を見せた。