打ち上げ花火とミルクティ

診察室はこれ以上ないという程シンプルだった。



医師によってはデスクがデコレーションされている事もあるが、速水は全く興味がないらしく、いたって簡素だった。



看護師の女性が一人立っていたが、速水が一瞬視線を送ると、診察室から出て行った。



速水はいつもそうする。



恵斗の病気に悪影響を与えてはいけないという理由からだ。



看護師が男性であっても場合によってはそうする事もある。



「ぼちぼちです。今の所、自覚症状はないので」



恵斗は慣れた口調でそう言った。



小さい回転椅子に座る。



「自覚症状がないってのは、つまり今は発症してないと考えていいんだよな?」


「たぶんそうです。自分でも、発症しないように気をつけてますから」



恵斗がそう言うと、速水は少し複雑な表情になった。