「女神さま・・・」



璃梨はすぐにそう答えた。



そう答えるのに、一切の躊躇はなかった。



マリアの魅力を言葉で言い表さなくてはならないとしたら、それしかないと思った。



それ以外の言葉は、マリアに相応しくない。



マリアは微笑んだ。



「じゃぁ、その女神さまになりたくない?」



あまりに突飛な質問だった。



璃梨は瞬時に反応出来なかった。



「え・・・あの・・・」



マリアはさらに微笑む。



動揺している璃梨を面白がっているようにも見えた。



「じゃぁ、質問を変えるわね。璃梨は、学校が好き?」



先程の質問と今の質問には何か関連性があるのだろうか。



かけ離れているようにしか思えない。



「いえ、あまり好きじゃないです。友達もいないし・・・」



この質問にはすぐに答える事が出来た。



意図はわからないが、答えやすい質問ではある。



「やっぱりね。じゃぁ、家は好き?家族は好き?」



どうしてこの人はこんな質問をしてくるのだろうか。



そう思ったが、質問を拒む理由も特になかった。