「あたしの名前はマリア。あなたは?」



マリア・・・。



この人の為にあるような名前だ、と璃梨は思った。



璃梨にとってマリアはそれほど神々しく、神秘的で、まさに聖母のように見えていた。



「璃梨・・・です」




璃梨はマリアに見とれていた。



これほど人を魅了できる人は他にいない。



どれほど有名な芸能人でも、この人には敵わない。



「璃梨・・・。可愛い名前ね」



マリアは璃梨の頬を撫でた。



璃梨はゾクリとした。



全身に鳥肌が立つ。



この感情を言葉には出来ない。



ある種の恐怖だろうか。



「あなた、あたしをどう思う?」




マリアは真剣な表情で璃梨にそう聞いた。



キレイとか、美しいとか、そういう言葉では言い表せない。