頭の中がごちゃごちゃになっていく。 ………ボーとしてくる。 グラッと足元が崩れる。 「!?」 そんな私を彼が支えるように抱き締めてくれる。 ああ…、彼の心臓の音が聞こえる。 彼は生きてる。 トクン…トクン…と、彼の心臓の音を聞きながら、いつの間にか私は、意識を手放してしまった。 「さくら!」 意識を手放す間際、 彼が付けてくれた私の名前を呼ぶ声が、聞こえた気がした…… 初めて、きちんと名前を呼んでもらえた。