死神である私に触れている…


彼の手や腕の感触が、私の体に伝わってくる。



そう思ったのもつかぬ間、

「大丈夫?」


という彼の言葉に我に返り、今の状態が彼にお姫様だっこというものをされていることに気付く。



一気に体が熱くなっていく。



「うわぁ!ご、ごめん!ありがとう」


瞬時に彼の腕から、飛んで離れる。



「……軽い」


ポツリと、呟く彼。


顔に一気に熱が集まっていく。




「えと…その、あの…」


「…?」



何て言ったら良いかわからず、私は、そのまま窓をすり抜けて外へと飛び出してしまった。










熱い…。


青空の中、熱くなってしまった顔に両手を当てる。

体に残る彼の腕の感触が、火照った体を冷やしてはくれなかった。