「あいかわらず、遅いんだな。走るの」 私が少なくなってきたココアを一気に飲みほした時に、 湊が空になった缶をゴミ箱に捨てながら言った。 「うっさい。」 小学校や中学校はたしかに一緒だったが、接点のなかったあの頃の私のことを知ってる湊に驚いた。 …たしかに走りは下から数えた方がはやかったけど もしかして、あの女 くそおせぇなって話題になってたのかな どうせなら、もっとマシな部分を知っててもらいたかったな… なんて思ったけど よく知ってるね?なんて怖くて聞けなかった。