金曜日の帰り道



「あいかわらず、遅いんだな。走るの」


私が少なくなってきたココアを一気に飲みほした時に、
湊が空になった缶をゴミ箱に捨てながら言った。


「うっさい。」



小学校や中学校はたしかに一緒だったが、接点のなかったあの頃の私のことを知ってる湊に驚いた。


…たしかに走りは下から数えた方がはやかったけど

もしかして、あの女
くそおせぇなって話題になってたのかな


どうせなら、もっとマシな部分を知っててもらいたかったな…



なんて思ったけど


よく知ってるね?なんて怖くて聞けなかった。