金曜日の帰り道



「夏奈美、飲めたー?」


いろいろと考えていると
湊は私の顔を覗きこんで笑った。


「のめたっ!はい。ゴミ箱に捨てて!」


「なんで俺なんだよ」


「ゴミ箱の隣にいるから!はい。よし、かえろーっ」


湊の手に空になった缶を無理やり持たせて歩く。

しかたないなーといいながら湊はゴミ箱に捨て
自転車をひきながら
また隣を歩く。




「あーさむいっ。人肌恋しい季節だねー」


マフラーに顔をうめながら
私がふざけた口調でそういう。


「なんだよ、急にー。まぁ否定はしないけど。彼女ほしぃなー」


「あれ、意外!いないんだっ」


「なんだよ-、チャラそうにみえるっていいてぇのか~?」